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片耳物語⑪ ~ 手術開始

手術室 片耳物語
まー
まー

生まれて初めての手術。
病気の発覚から5か月以上経っていました。
いよいよ手術開始です。

手術室はレトロな宇宙船の中のよう

私が入院していた脳外科の病棟は13階にあり、手術室はずっと下の階にあるのでエレベーターで向かいまず。手術室までは徒歩で行きます。エレベーターホールで家族に見送られ、扉が閉まるギリギリまで手を振りました。無事に生還できますように…。

エレベーターで手術室のある階で降ります。
このフロアは複数の手術室が集合している中央手術部というところです。
ここまで、病棟の看護師さん2人に付き添ってもらいます。
「中央手術部」と書かれたゲートの中に入ると広い待合室があって、私の前後にそれぞれ看護師さんに付き添われて手術を受ける患者さん達が集まって来ていました。

しばらくすると私の担当の手術室の看護師さんと麻酔科の医師が迎えに来てくれ、書類の確認や今日の手術部位について確認が行われました。麻酔科の先生は女性、看護師さんの1人は男性でした。

確認が済むと男性の看護師さんが私の肩を抱くように手術室まで移動します。
その男性看護師さんはなかなかの屈強な体格で、「もう逃げられないな(笑)」と思いました。

いよいよ、手術開始

自分が手術を受ける部屋まで何か倉庫のような場所を結構な距離を歩きました。
迷路のような通路は天井が思ったより低く、様々な機材がそこかしこに設置されており、まるで「スターウォーズ」に出てくる”レトロ”な感じの宇宙船の中ようでした。

付き添いの看護師さんに促され、どこをどう通ったかわからないうちに目的の手術室へ到着しました。

少し狭目のベッドに横たわると身体にいろんなモノをつけられ始めました。
顔の上に酸素マスクを乗せられ、
「まだ眠くなりませんよ。深呼吸してください。」と言われました。
本当にそのとおりで、この段階ではちっとも眠くありませんでした。

しかし、「点滴から眠くなる薬を入れます。」という声が聞こえたかと思うと…もう意識は無かったと思います。

ここまでは事前に自分があれこれシミュレーションした想定通りでしたが、
この後、手術が終わりICUで目覚めてからが苦しみの本番だったのです。

<<続きます>>