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片耳物語⑩ ~ 手術

手術_医師団 片耳物語
まー
まー

いよいよ手術の日がやってきました。
手術は生まれて初めての経験です。
それがこんなに大きな手術になるとは…。

いよいよ手術当日となりました

いよいよ手術の日がやってきました。
入院した日から3日目のことです。

この時、5月の下旬でしたから、前年の12月に「聴神経腫瘍」という病名が確定してから5か月ほどが経過していました。2月の終わりから3月のはじめにかけて検査入院をしていましたが、それからでも2か月半後のことです。長いようでいて、当日を迎えてみるとあっという間だったりもします。

この5か月余りの間、自分の精神的な浮き沈みは本当に大きなものでした。
病気を知った後の2か月間、ちょうど暮れからお正月にかけての間は、まるで自分が周りの世界から切り離されてしまったかのようで、これまでの人生のうちで一番辛い期間になりました。

この間、医師のサポートを受けたり、いろんな人たちの励ましをもらったりしていましたが、覚悟が決まったのは4泊5日の検査入院をしてからです。

自分が入院する病院の環境を知れたことと、数か月間の時間の経過が最低まで落ち込んでいた気持ちを
引き上げてくれました。

そして、手術直前になって、思いがけず前回お話しした同病の「仲間」と知り合えたことが、精神的に大きな支えとなりました。

この「仲間」をXさんと呼びます。

前日には既に手術の順番はXさんが1番目で私が2番目だということはわかっていました。
1番目に受けるXさんと前の日の夜、「小決起集会」を開いて、術後は様子をお互いに知らせ合うことを約束しました。そして、その夜は頑張りましょうと就寝しました。
まぁそこそこ寝れた感じでした。

手術室へ

前日の夜は、Xさんとの「決起集会」のあと、嘘のようにスムーズに眠りについたようです。
朝起きた感じはまぁまぁ良かったと思います。

手術開始の時間は思ったよりも早く、朝、1番目の手術に向かうXさんを、病棟のエレベーターホールで彼の家族とともに送り出しました。

やはり待つ身の辛さ、時間が経つうちに緊張感が高まります。Xさんは今頃どうだろうと考えながら待っていました。

当日は食事が取れないので、朝から点滴です。

朝から担当の若手の先生が点滴に来てくれました。この時、術側の耳たぶと腿のところにマジックで印をつけられました。腿の印は、手術中に傷などを塞ぐ際に必要となった場合、ここから脂肪などを取るそうです。

正確な時間が知らされていないので、とにかく待ちます。前の方の状況によって時間が後ろにずれ込むからです。

そうこうしているうちに、手術チームの先生方が挨拶に来てくれたりしました。非常に心強かったです。

午後1時30分を過ぎた頃、手術は3時からに決定しましたと看護師さんに告げられました。

さらに術前30分ほど前に術着(マジックテープで止めるやつです)に着替えて、足には血栓予防の圧迫ハイソックスを履きました。

2人の看護師さんに付き添われて階下の手術室へ向かいます。いよいよです。

<<続きます>>