富士山レーダードーム Mt. Fuji Radar Dome Museum

まー

富士山レーダーは、2000年３月にIEEEマイルストーンに認定された歴史的偉業です。
レーダードーム館は、この科学技術史上の遺産の本物を実際に見ることができる素晴らしい施設です。

IEEEは、電気・電子技術などの人類社会に有益な技術革新に貢献する世界最大の専門家組織です。IEEEマイルストーンは、IEEEが電気・電子・情報技術やその関連分野の歴史的偉業に対して行う顕彰活動の一つです。
これまで、ボルタ電池やフレミング二極管など世界で169件がマイルストーンに認定されており、そのうち日本では28件が認定されています（富士山レーダーのほか東海道新幹線やVHSビデオなど）。

富士山レーダー【Mt.Fuji Radar】
レーダードーム館
1. 富士山レーダー建設時の映像
2. 本物のレーダーアンテナ
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富士山レーダー【Mt.Fuji Radar】

「富士山レーダー」は、かつて富士山頂にあった富士山測候所に設置された気象レーダーです。このレーダーシステムは1964年に設置され、35年間運用されていました。1999年に運用が終了し、測候所も2004年に閉鎖されています。

“Mt. Fuji Radar” is a weather radar installed at the Mt. Fuji Weather Observatory, which was once located at the top of Mt. Fuji. This radar system was installed in 1964 and operated for 35 years. Operation ended in 1999, and the weather station was closed in 2004.

この富士山レーダーは、1959年に発生した伊勢湾台風による甚大な災害を契機に、日本列島に接近する台風の観測を主たる使命として設置されました。半径700kmにも及ぶ広大な範囲の積乱雲を観測することが可能で、その後の台風観測に多大な貢献を果たしました。

時代が移り、気象衛星の進歩やより低コストで運用が可能な、複数の代替レーダーサイトの設置により廃止されることになりました。

レーダードーム館

役割を終えた富士山レーダーは解体され、2001年に山梨県富士吉田市へ移設。現在は2004年に開館した「富士山レーダードーム館」で復元・展示されています。

レーダードーム館の施設は3階建て。１階は防災学習コーナー、シアタールーム、ミュージアムショップがあります。２階には気象観測の歴史コーナーや富士山頂の寒さを体験する施設があり、３階には本物の気象観測装置などが設置され、当時のレーダードームの内部を再現しています。

そして、３階の天井を見上げるとこちらも本物、直径5mのパラボラアンテナが回転している様子を見ることができます。

○富士吉田市立富士山レーダードーム館の設置及び管理に関する条例　〜抜粋〜
（平成16年3月25日条例第8号）
(設置)
第1条　富士山レーダードームに関する資料等の収集、保管及び展示を行うことにより、市民の富士山の気象等に対する関心と理解を深め、豊かな教養と創造性を育み、もって教育及び文化の発展に寄与することを目的として、富士吉田市立富士山レーダードーム館(以下「レーダードーム館」という。)を設置する。

富士山レーダー建設時の映像

１階のシアタールームでは、富士山レーダー建設に携わった人々のドキュメンタリー映像「世界最大のレーダー建設～富士山頂9000人のドラマ～」が上映されています（約30分間）。

富士山レーダー建設については、2000年３月にNHKの番組「プロジェクトX 挑戦者たち」の第１回『「巨大台風から日本を守れ」－富士山頂・男たちは命をかけた』で放映されていますが、ここではさらに詳しいエピソードが紹介されています。

建設資材の運搬を最初は馬で行おうとしたこと、レーダードームを運ぶヘリコプターの重量制限をクリアするために、機体の内壁まで外して軽量化したり、気流など困難な条件の中で飛行を強行するなど、興味深いエピソードを知ることができます。